男と女が恋に落ちる瞬間がある。目と目が合った時にすべてが始まりふたりの世界が繋がりひとつになる。お互いがお互いにとっての運命の人。君と出会うために生まれてきたと感じる瞬間。その瞬間を探し続けてもう51年。まるで徳川の埋蔵金や、太平洋に沈む海賊船のお宝を探しているかのような大冒険。もう諦めてもいい年月が過ぎ去った。探しても探しても見つからない。こ本当にそんな奇跡の瞬間が訪れるのだろうか。私がそうだと感じても、相手もそうとは限らない。それでは意味がない。条件と諦めと惰性でしか相手を見てこなかったツケは確実にやってくる。恋をしてキラキラした時間なんて若い者だけの特権。おじさんおばさんが思い出したように不倫という名の恋をするのは人生を折り返して再び若さを取り戻そうとする足掻きみたいなもの。本当のキラキラを馬鹿にするなと言いたい。